2009年11月30日月曜日

浅田次郎:「薔薇盗人」

「月のしずく」に続けて「薔薇盗人」と短編集を2冊読む。

浅田次郎の短編、しみじみとした情感あふれる小品が好ましい。「鉄道員」のような亡くなった人との交感を主題とした作品は今の自分には気分が重い。それよりも今は、この薔薇盗人に収録されている「アジサイ心中」が良かった。そして「ひなまつり」、切ない。「薔薇盗人」は三島由紀夫を意識した作品だそうだが、そこらは良く判らない。少年が大好きな世界一周の航海をしている船長の父に手紙を書き送りながら背徳の香りが立ち上る。三島由紀夫に「午後の曳航」という作品があるそうだ。

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