2010年5月16日日曜日

北村薫:「秋の花」

私はもう大学3年になっている。この落語好きな文学部の女子大生と円紫師匠による謎解きも、今回が最後か?

初めての長編で、なお且つ、初めて人が死ぬのだ。犯人は・・・?近所の3年年下の仲良し2人の一方が学園祭の準備中に屋上から墜落死。相変わらず、筆の運びは女子大生スタンスで快調。面白く読んだ。とんでもなく浮き上がった調子だと嫌がる人もいるかもしれないが、自分は読んでいて違和感はない。若々しい感覚で読み進むことができる。それにしても著者はいろんな本を読んでいるのに驚かされる。随所にそれらが顔を出すがいやみはない。本好きな女子大生を主人公にしていることが全体の救いになっている。面白かった。

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