2010年6月30日水曜日

池上永一:「テンペスト」

全くの歴史小説娯楽版。琉球という独立国が日本に併合されていくまでの流れを類まれな美女にして博覧強記の主人公が宦官に成りすまして琉球王朝の科挙として活躍する。沖縄の成り立ちや歴史を知らず、いった事もない自分にとってはこの本を通して琉球の歩みを垣間見、検索を通して琉球の歴史年表を読み、少しだけだが沖縄の人が今日も抱いているかもしれない被征服者としての被害者意識や反発心を理解する事ができた。奇すくも、2009年は鹿児島藩が琉球を制圧してから丁度、230年という節目の年でもあった。普天間基地問題がこじれ、普天間も「ノー」という沖縄県民の叫びの底流にも思いを馳せる必要がありそうだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿

吉田修一:「永遠(とは)と横道世之介」

 横道世之介シリーズの完結編であることはタイトルから想像がつく。これは新聞の連載で読んだものである。と言っても細切れで読んだわけではない。というのは私は新聞のデジタル版の購読者なので、こういう連載小説はHPのアーカイブスのようなところに全部保管されているのでまとめ読みが可能なので...