2014年4月26日土曜日

山シャクヤクが

庭の花々が一斉に咲きだしました。今年はできが良い。この冬の寒さが厳しかったのが幸いしたのだろうか?山シャクヤクが見事に咲いた。この花だけには去年、周りの雑草を取り除いたり肥料を少しやったりして世話をした方の部類ではあるのですが、それでもよく咲いてくれました。この花を見るたびにまだ自分が現役の50代後半ぐらいだった頃、部署は違うのですが同じフロアで働いていたTさんのことを思い出します。ある時何が切っ掛けだったか忘れましたがお互いに山や山野草が好きだということを知り、それからはよく私を高尾や山梨の山々に連れ出してくれ、沢山の珍しい山野草を教えてくれました。私が普通の人より少しばかり余計に山野草の名前を知っていたり、その花がひっそりと咲いている場所やタイミングを知っているとすれば大半はこの人の影響です。山が好きでもともと贅肉一つ付いていない精悍な感じのする行動的な人だったのですが突然体調を崩して、アッという間に帰らぬ人となりました。この山シャクヤクも高尾山の道なき道を辿り、ひっそりと咲いている一輪の花を見せてくれてはじめてその存在を知りました。元々、自分が知っていたシャクヤクは牡丹と並んで普通の家々の庭によく見る園芸種だと思いますが、白いシンプルな花弁、決して花弁が広くは開かず、程よい加減に花弁を開け、中の黄色い蕊を覗かせている清楚な花です。ある高尾山の登山の帰り道にケーブル駅の植木屋にこの花の苗が並んでいてビックリしました。直ぐさま買って庭に植えたのでした。それはTさんと別れてから5.6年経った後のことで、まるで会いに来てくれたようだねと家人と話して大事にしてきたものです。一度、高尾山のその道なき道を辿ってもう一度あの山シャクヤクを観てみたいものだと思ってチャレンジしたことがあったのですが、どうしてもそこがどこであったのか見付けることはできませんでした。あの登山客であふれる高尾山のどこかで今もひっそりと咲いていてほしいものです。今は環境省のレッドリスト準絶滅危惧種に指定されている。

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