2015年3月13日金曜日

池永 陽:珈琲屋の人々

昭和30年代、「3丁目の夕日」的な香りのするお話。レトロな珈琲屋をやっている男とそこに居つく猫の子のように出入りする女、この2人は同級生でいい年になっているのに何か曰くあり気。そこに出入りする来客を巡る話が段々にこの珈琲屋の店主の素性を解き明かしていく。危うい人生を渉る人々がこの店主の熱いコーヒーに心を溶かされ、人生の道を踏み外そうとする瀬戸際で救われる。この小説自体が佳い話と三文小説との境目のような危うさを持っているような気がした。ちょっと生意気か?

0 件のコメント:

コメントを投稿

吉田修一:「永遠(とは)と横道世之介」

 横道世之介シリーズの完結編であることはタイトルから想像がつく。これは新聞の連載で読んだものである。と言っても細切れで読んだわけではない。というのは私は新聞のデジタル版の購読者なので、こういう連載小説はHPのアーカイブスのようなところに全部保管されているのでまとめ読みが可能なので...