戦後70年。色々な意味で日本が迎える一つの曲がり角かもしれませんね。憲法改正のための手続きなどの周辺の法律整備も整ってきました。なにを変えたいのか明らかにすることもなく変えられる態勢は整えるというフェーズから、愈々憲法改正ができる国会の勢力地図も確立できて、第3段階の具体的な改正の論議へと進んでいくことでしょう。日本国憲法が占領軍アメリカからの指導で作られたものであることは周知のことですが、だから全部を書き換えるという無茶はできませんね。その理念、天皇制の問題、第9条の問題・・・日本人は何を守り何を変えたいのでしょうね?西 鋭夫(にし としお1941年)という人は、スタンフォード大学フーヴァー研究所Research Fellow 主任研究員を経て日本大学国際関係学部教授。最近やけに情報発信を激しくしているので、気になっていた。どういうことを言っているのか知っておくことは有益と考えて代表的な著作の一つを借りて読みました。
タイトル通り、70年前マッカーサーが厚木飛行場に降り立ってから日本を去るまでの間にやったことを克明にアメリカの極秘文書から書き起こした労作ではありました。彼の調査と解析から得た結論は、以下の文章に要約されているようです。
・第九条は「平和の美徳」や「戦争の悪」という「善悪の問題」以前の問題であると思うからだ。第九条は、「生きる本能」、命を護る「自衛本能」を否定す る。第九条は、男が女や子供を護る「本能」を「悪」とする。親が子を護る、子が親を護るという「生命」の自然な「本能」を、「戦争」「武力の行使」と卑下 した幼稚な空想が第九条。・・・女子供を護る本能を萎縮させられた日本の男が、戦後日本を、勇気もない信念もない怯えた群集にしてしまったのだ。怯えた国 民は、強い用心棒を雇う。高い銭を出し、強いアメリカ兵を雇う。・・・用心棒を雇い、飯を食わせ、銭もやる。この状態を「平和」と呼び、「平和憲法」「平 和教育」と、恰も平和踊りを輪になって舞っている日本国民・・・
・マッ カーサーのモルモットとして、世界から隔離された彼の実験室で、日本が学ばなければならなかった新しい宗教であった。国連が日本と世界を争いから救うとい う信仰である。
・「国」とか「誇り」という考えそのものが、戦争をはじめる悪性の ウィルス菌であると教育された。この恐るべき、かつ巧妙な洗脳には「平和教育」という、誰も反対できないような美しい名札が付けられていた。・・・この独 善が、憲法第九条となり、日本のアメリカ依存を永久化しつつある。第九条は、日本国民の「愛国心」「国を護る義務・責任」を殺すために作られた罠だ。
・「内政干渉」などしなくとも、日本の首相は世界の征夷大将軍・アメリカ大統領がお住まいのワシントンへ参勤交代をする。飼い馴らされている。日本がアメ リカに忠誠を尽くしても、アメリカ経済の体調がおかしくなると、アメリカの機嫌が悪くなり、日本が殴られ、日本の経済はアメリカの食い物にされる。アメリ カ国民によい生活をしていただくために、日本国民は膨大な貯金をし、その金でアメリカの、これまた膨大な国債を買う。買わされる。それでも、まだ殴られ る。軽蔑される。
世界経済の複雑に絡み合ったダイナミズムと政治がリンクしている中で、どういう道を模索していくか、西氏の言っていることも勇ましいが、それほど単純でもないのではないか?
2015年5月3日日曜日
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