2015年5月31日日曜日

石田衣良:「約束」

大阪の池田小学校で無差別殺人事件が起きたのは2001年6月8日のことでした。つい最近の出来事だったように思っていましたがあれからすでに14年が過ぎてしまっているのです。あの時亡くなった小学生は1年生1人、2年生7人、生きていれば今20か、21歳になっているのだろう。正に死んだ子の年を数えるようなことをしても始まらない。その事件にショックを受けて、何かできることはないだろうかと考えて作者が書いたのが、「約束」他6篇の短編小説なのです。「約束」が正に小学2年生を主人公にして、亡くなった子に対する鎮魂、生き残った子に対する激励のメッセージになっていました。そして本の表題にも選ばれています。その他の6篇も挫折からの復活、苦しむ心への癒し、そして自分の人生へ立ち戻る姿を描いています。

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