この本を予約したのはいつだったか、このところ気になりだしていたら図書館から連絡があった。4月22日から都美術館で伊藤若冲(1716-1800)の生誕300年を記念展が始まる。その前になんとしても読んでおきたかったからだ。澤田という作家は知らなかったが、面白かった。若冲の亡き妻の弟、市川君圭との角逐、この絡みの中で若冲がどうしてあのような絵を描いていくのかリアルに描きだしていく小説は迫力があった。作者に聞くというサイトを見ると、京都人である澤田は、ある時若冲の晩年の様子を書いた当時の雑文に、『石峰寺の隠居所に尼の姿の妹と男の子がいた』という記述を見つけたことに、この本の着想を得たらしいのです。歴史小説というのはみな、真贋、史実に忠、不忠織り交ぜて登場人物を活写していくものだとすれば、この作品は小説としても絶品と言えるのではなかろうか?若冲は史実では生涯独身だったらしいのでそういう意味では、正にどんでん返し、そのものではないか!展覧会で絵と対面するのが楽しみになってきた。
2016年4月30日土曜日
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