2019年8月14日水曜日

三浦しをん:「愛なき世界」

タイトルからはおよそ内容は類推できなかった。愛なき世界??、その謎はすぐに解けた。植物学の道を歩む大学院生と学校にほど近い食堂「円福亭」の住み込み料理人との一方通行の恋物語りだった。研究する対象はシロイヌナズナといういわば雑草だ。この雑草は遺伝子の解明がなされていてその生態を研究するのに適した植物らしい。色んな遺伝子の組み合わせのシロイヌナズナを発注することができるらしい。植物は感情がない、言葉を持たない、行動もできない・・・そして愛で応えてくれることもない。でも人は植物を愛することができる・・・?実らぬ恋の物語。遺伝子の操作や研究方法など見知らぬ世界を著者は相当に調べ、学び書いたお話だった。夏の夜暑さの中で読むのにはちょうど良かった。

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