2015年4月29日水曜日

中村文則:「土の中の子供」

第133回芥川賞受賞作。幼少時に親に捨てられ、親戚の誰かに虐待を受け続けて育った子供が成人の後、どんな精神構造を持つようになるのか?常識的な自分には想像もできない精神世界をあからさまに表現している。それでいて崩れていない。同じ薄幸の女性と知り合い交流し合い、心の底の処で平安をお互いに見出していく重く、苦しい中に希望を暗示させる。どの本もそうですがこれまで読んだ芥川賞の作品はどれも難しい。

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