玻璃(ハル)の天、想夫恋、幻の橋の3編からなる文庫本。
昭和初期のハイソの令嬢「わたし」が家庭環境と交友関係を綾にして謎解きにあたる。この「わたし」がなかなかに知的で且つ、他人特に弱者に対して向ける眼差しが優しく、嬉しい。シリーズ物をいくつか物しているらしい。小説らしい小説という範疇になるのかな?大正のロマン、デモクラシー時代から昭和になって次第に軍国の影が忍び寄ってくるそんな雰囲気を感じさせる。後学のために「玻璃」とは、ガラスのこと、または仏教では水晶のことを指すらしい。本題では明らかにガラスで良いようだ。
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