2011年1月8日土曜日

無線通信の規格はどこで決まるの?

次々とできてくる無線通信規格、時の要請で高速化を追求して商品化が進められてきているのでしょうが、だれがこの音頭をとっているのでしょうか?直接的にはすべての国々では電波という公共財を秩序正しく使っていくために国が管理しているようです。日本では総務省が許認可権を持っているのですね。でも、技術のことはわかりません。無線通信技術は世界中が共有して使うので開発された技術が仕様を明確に定義してだれでもが使えるようにしておかなくてはなりませんね。今、世界では2つの機関がこの業務を行っているみたいです。国際電気通信連合(ITU)という機関で決められる規格とアメリカの電気通信学会(IEEE)にある情報通信部会で決められる規格とがあるみたいです。この2つはえも言われない相関関係を持って活動しているのでさらに複雑な様相を呈しているのです。ITUは元々無線通信技術をベースにして規格を作り発展させてきました。IEEEの方は情報(コンピュータ)通信の方から規格を決めてきました。以前は相互には直接的な関係はなかったのですがコンピュータの通信がLANやインターネット技術を開発進化させて遂には無線化にまで及んできましたので規格の重なり合いが生じてきたのですね。インターネット電話という言葉がありますね。電話も元々は有線で行われていたものとそれを遠方に飛ばすために無線でも電話通信できるように規格を作ってきたのでしたが、インターネット電話という言葉を聞いたことがあると思いますが、インターネットの規格に則って音声信号を乗せればこれまでコンピュータ間の通信に使われてきた情報通信規格の中で電話も可能になってきたのです。情報と通信の融合が始まったのですね。さらにラジオやテレビなどのメディアもこの情報通信技術(インターネット)に乗せることが技術的には可能になってきたのです。もはや通信の仕方には障壁がなくなりました。ただ、映画やテレビや音楽などのような情報量の大きなものを高速に送受信できる通信方法だけが問題になってきたのです。こうなると有線であろうが無線であろうが関係なく、高速通信の可能な通信技術が最後の覇者になるのでしょう。ここにきて無線技術が目覚ましい進歩を遂げているのです。NTTドコモが権利を取得している次期の無線通信サービスはLTEといって原理的には100Mbpsの情報伝送が可能だといわれています。実際は40Mbps程度で、それでもこれは今、光ケーブルで実現しているサービスが40Mbpsですからそれと同等の高速通信サービスを無線で提供できるということを言っているわけです。以前はITUとIEEEとでいっていることが随分とちぐはぐな印象を受けていたものでしたが、情報通信には相手の確認方法や誤りに対する訂正方法など情報通信分野で蓄えてきた規格が重要なポイントとなってきたため、歩調を合わせていろんな規格を決めるようになってきたのでしょう。残る問題は色んな周波数の利用環境が国によって多少違いがあり、そのために同じLTEでもl使用する周波数が国際規格上では数種類の中から選択して使用できるように決められています。アメリカやヨーロッパやあるいは中国といった大きなマーケットとなる可能性のある国が採用する周波数とたとえば日本が採用する周波数が違うとすると、日本で使用できる機種が外国では使用できないといった問題が生じわけです。メーカーとしては困りますね。1つの機種が全世界で使えるなら、全世界で売れるわけです。利用者も困ります。世界中、自分の使い慣れている携帯電話で通話したいと思っています。既存のサービスとの整合性を取りながら新しい規格をどう取り入れていくか、ここでも行政(政治)が産業や経済や生活の便宜といったものを微妙に左右していくのです。
ちょっと難しい話になってしまいました。内容が間違っていないか心配になります。でもなかなかここらあたりをうまく解説してくれている文書って見つからないのですよね。もし間違っていたら訂正します。また、教えて下さる方がいたらぜひよろしくお願いします。

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