2011年11月27日日曜日

宮本輝:「森のなかの海」下

おとぎ話のような設定の中で、著者が訴えようとしていたのはなんなのでしょうか?謎の老女の隠された過去が次第に明らかになる中で、彼女は自立していく。強くなっていく。そこは解るのですが、そのほかこの物語の中に登場してきた主要な人物たちはどうなるのか?色んなことが中途半端に終わっている。こんな終わり方で良いのだろうか?わからない。

漢字探し

今日は半日かけて、水彩画のグループ展への来場者名簿を整理して来年の展覧会に備える準備をして過ごしました。人の名前には色んな漢字が使われていて、読み方がわからないために、入力できない局面にたびたび遭遇しました。そんな時どうやって解決するのでしょうか?ITのお世話にならない方法としては、昔から漢和辞典に頼るわけですね。今ですと、内蔵している文字変換ツールIME2010などに頼ります。IMEパッドを開いて、総画数や部首から探していきます。とても手間がかかる作業です。手書きツールでも神経を使う割に望む漢字が出てこない。こんな時に意外に役に立ったのは検索ツールでした。今日困ったのは「禮」。「れい」と読むんですね。それが出てこなくて、[示す偏に豊]で検索すると、たちどころに読み方がわかりました。こんな方法もあったのだと妙に納得したところでした。皆さんならどうするのでしょうか?

2011年11月24日木曜日

談志逝く

落語好きの自分にとって、立川談志はやはり特別な人です。志ん朝ではなく、円楽でもなく、談志なのです。この語りは文句なく面白い。元気なうちに一度ライブで聴きたいと思っていましたが、結局何だか機会を逃し、逃ししてついに会えずに終わることになったのです。享年75歳でした。DVDやCDで結構楽しませてもらいました。最近の睡眠導入にも談志の「笠碁」を愛用しています。無条件に聞いているうちに眠ってしまいます。不眠症の方にもお勧めです。

2011年11月11日金曜日

宮本輝:「森のなかの海」上

長編で今日、前篇を読み終えた。阪神大震災を舞台に描いた再生の物語。ここでいう再生とは、阪神という街の再生ではなく、そこに住んでいた主人公の女性が夫に裏切られたいた人生からの再生であり、震災で新たに生まれた親を失った子供たちの再生の物語でもある。謎を持つ老女の遺産を奇しくも引き継ぐことになったこの主人公が飛騨の森の中にその孤児となって社会から置き去りにされそうになってる子供たちと再生していく。「このままでは日本はダメになる」、「この国の指導者たち、親たちがこの国をダメにしていく」と著者は本の中で叫んでいる。あれから、あれから15年。東日本大震災を経験して、その思いはますます深まるように思える。

2011年11月7日月曜日

宮部みゆき:「心とろかすような」

1997年刊行の短編集。「マサの事件簿」というサブタイトルのように、警察犬OBのジャーマン・シェパードとその飼い主蓮見探偵事務所に起こる街のちょっとした事件とその謎解き。お利口な警察犬マサの眼で描かれる事件模様が中々楽しい。語り口も軽快で、ちょっと北村薫の作風を連想させるようで、割と好きなスタイルでした。

吉田修一:「永遠(とは)と横道世之介」

 横道世之介シリーズの完結編であることはタイトルから想像がつく。これは新聞の連載で読んだものである。と言っても細切れで読んだわけではない。というのは私は新聞のデジタル版の購読者なので、こういう連載小説はHPのアーカイブスのようなところに全部保管されているのでまとめ読みが可能なので...