2012年1月23日月曜日
東野圭吾:「さまよう刃(やいば)」
東野圭吾が書く小説の題材はいつも重いという印象が強いので手を出すのにいつも躊躇してしまいます。今回もどうしようか、図書館の本棚の前で出したり返したりして遂に借りてしまいました。読み始めるとやはり重い題材でした。非行少年たちに蹂躙された娘の親は元ライフル競技の選手だったが、それを使う前に、少年たちの1人からの密告電話で犯人の1人のアパートで犯人の1人と遭遇して殺してしまう。レイプ現場でビデオを撮っていてそれを見た直後たったのだ。あと1人実行犯がいる。「未成年者の殺人犯では大した刑に服することはないこと」は良く知られた事実である。そのことからその親は自分で罰する、いわゆる私刑を決行しようとするお話でした。厳しい状況設定です。刑事たちの中にも同情論が根っこのところにはある。逃げる未成年の犯罪者を逮捕しようと追いかけ、もう一方では、被害者の親はその犯人を何とか独力で捉えようと追いかける。警察としては同情論とは別に被害者の親が犯罪者を殺害することを警察のメンツにかけても阻止しようと必死に追及する。そして最後に、上野駅の付近で警察、未成年の犯罪者、そして被害者の親。最後の結末へ凄い緊張が走る。結末は言ってしまっては作者に申し訳ないので興味のある方は読んでください。そして法律というものは犯罪者、被害者に対して何をしようとするものなのか、偶にはこういうことも考えた方が良いのかもしれません。これが国家間だとしたらどうなのでしょうか?
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