2012年9月25日火曜日

萩 耿介:「不滅の書」

図書館で通りがかりに目に触れて、今読む本がなくなっているのに気が付き、それではと、借りてきました。インドで消息を絶った兄を探しに行って滞在していたホテルに残された遺留品の中に1冊の本を見つける。それが「智慧の書」でした。小さな不動産会社に勤めていた自分が、ある日、会社が大手会社に吸収合併されて傍からは「良かったね、安泰だね」といわれるが、自分の立場は逆に、「うまくやりやがって」と軽蔑の目線を常に感じて卑屈に生きている。自分は何のために生きているのか?妻のため?子供のため?手元に残された「智慧の書」は難解ながら、何かよりどころになる言葉はないかと探し、つかの間の平安を得る。一体「智慧の書」とはだれがいつどうして書いたのだろう。1789年のパリフランス革命に飛び、1560年ごろのインドムガール王朝に飛び、「智慧の書」の著わされた時代へとタイムトリップしていきます。

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