2012年12月20日木曜日
角田光代:「8日目の蝉」
第2回中央公論文芸賞受賞作で近年映画にもなった作品を読み終わりました。恋を実らせるために彼の求めに応じて妊娠中絶し、挙句の果てに彼は別の女性と結婚し、おまけに自分は二度と子供の産めない体になり、絶望的になった若い女性が、元彼が結婚して産まれた乳児を(そうするつもりはなかったのですが)誘拐してしまう。そして逃げて逃げまくり小豆島で束の間の幸せを味わう。こうした究極の条件設定の中で女性作家にしか描けない女性心理をきめ細かに描いた作品でした。誘拐させられた女の子が成人してからも続く心の葛藤(どうして自分が人生を狂わされて迷路のような人生を歩まなければならないのか?)と闘い、誘拐した女性がその後、自分の犯した罪に苦しみ、尚且つ、誘拐した子供との3年弱の生活を愛おしく思い、あの子供の行く末に対する贖罪の気持ちと捨てきれぬ愛情抱いて、小豆島を目の前にして立ちすくんで過ごす日々。心揺さぶるラストの章が冴えていました。女性作家でなければ描けない秀作だと思いました。
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吉田修一:「永遠(とは)と横道世之介」
横道世之介シリーズの完結編であることはタイトルから想像がつく。これは新聞の連載で読んだものである。と言っても細切れで読んだわけではない。というのは私は新聞のデジタル版の購読者なので、こういう連載小説はHPのアーカイブスのようなところに全部保管されているのでまとめ読みが可能なので...
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吉田健一は1912年生まれで、承知の通り吉田茂と雪子の長男として生まれたが生後母雪子は単身赴任の茂の元、ヨーロッパに出掛けた。6歳まで母方の祖父である牧野伸顕に預けられた。学習院初等科に入学直後から父に従って青島、ロンドン、パリ、天津と転々し、1926年14歳で日本に戻り、暁星中...
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平成の回顧がこの時期の流行なので、便乗して気になることをボツボツと書いてみたいと思った。 地球は一つ、掛けがえのない地球。人類が消費している数多の資源の中で、最初に資源の枯渇化が危惧されたのが「石油」だった。1970年代には石油資源はあと30数年で枯渇するという説が流布したのは記...
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今日の日経プラス1(土曜版)から引用紹介。 東京ガス(http://www.tokyo-gas.co.jp) の「my Tokyo Gas住まいと暮らしの便利帖」では「寒い冬は特に一度沸かしたお湯を大切に使う”お湯まわりの省エネ”が効果的」など、様々なガス代節約の豆知識が得られ...
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