2013年5月23日木曜日

自然と科学技術のせめぎ合い

日々色んなニュースが飛び交い、我々もそれに反応しながらも流されていっています。

科学技術といえば、山中教授のIPS細胞という技術と遺伝子操作が融合したら将来には自由自在にいろんな種類の人造人間が作れる時代が来るのかもしれない。天才や狂人や・・・クローン人間なども。そんな高邁なことでなくても例えば、先日将棋の電王戦というのがありました。プロ棋士とパソコンが対戦しました。5戦して対戦成績はプロ棋士の1勝3敗1引き分けとなり、完敗でした。対戦したプロ棋士の1人、三浦八段は「自分のどこが悪かったのか分からない。」と振り返って感想を述べていたそうです。対するコンピュータは東京大学田中哲朗研究室にあるコンピュータをマスターとし、東京大学駒場地区キャンパスの情報教育棟にある学生用の667台のiMac(Intel Core i5 2.5GHz 4コア)をスレイヴとして使用するクラスター構成で、1秒間に2.7億手を読むことができるというシステムでした。素人感覚で言えば人間1人に対して667人掛りで対戦したようなイメージで、それは負けても仕方ないよ、と言いたいところではあります。がしかし、最近の科学技術の進歩の目覚ましさには本当に目を見張るものがありますね。

かたや、自然のちからの脅威振りにも驚かされます。東日本大震災は言うに及びませんが、最近の異常気象や昨日アメリカでおこった巨大竜巻にも驚かされました。地球温暖化と共にこのような竜巻は日本でも起きる可能性(確率)が増してきているといいう事のようですが、これくらいでも人間社会が築いてきた都市や社会システムでは全く歯が立たないくらい巨大なエネルギーを持っています。毎年数十個もの台風に見舞われる日本ですが、とてもコントロールできる代物ではありません。

太陽の黒点活動が極端に少なくなっていてその影響で地球が寒冷期に入るかもしれないなどというニュースを聞くと本当に人間という生き物が太陽系の片隅で瞬間的な繁栄をしていることなど、宇宙時間の中では一瞬の花火のような事なんでしょうね。所詮、人間が自然に敵う訳はないですね。せめぎ合いなどという事すらおこがましいですね。

2013年5月14日火曜日

宮本輝:「草原の椅子」文庫版(下)

図書館からようやく下巻の到着通知が来て、受け取ってから3日、読み終えました。上巻を読んだのが4月の初めでしたから、1か月以上経っていましたので、流石に最初はストーリーやら登場人物の相互関係など記憶があいまいになっているところもありましたが読み進むうちに色んなことでつながりが修復でき、スムースに読み進むことができました。物語の最後にタクラマカン砂漠(日本の国土より広い)で自分と向き合い、パキスタンの最北部に位置するらしい<a title="旅行者のサイト" href="http://www.saiyu.co.jp/itinerary/new/GPPK33/" target="_blank">フンザ</a>(という所は素晴らしい秘境のようですね)を訪れる2人の男たち(この2人の友情の深さは得難い理想です)と1人の女性、それに薄倖の子供(5.6歳の)の4人連れ。まさに桃源郷でそれぞれが理想の人間力で繋がり合って過ごす極上の時間。日本人というのがこういう人たちの集まりであったらどんなに素晴らしいことだろうと著者は言いたいのです。逆に物語ではその主人公と友人の2人に、一貫して現状の日本と日本人の品性の低俗化を嘆き、どうしてこうなったのか、どうしたら抜け出せるのかと語り合わせるのです。2001年に描かれたお話ですが、内容は今2013年の日本でも何も変わらず、むしろ、より深刻化していると感じさせるものでした。宮本輝らしい真面目に生きている人たちに贈るエールでもありますね、こういう小説がもっともっと読まれたら日本も良い国になるのかもしれませんね。映画を見損なったのが悔やまれます。

2013年5月13日月曜日

連休もとっくの過去に

5月の連休もとっくの過去になっています。一寸ブログから離れていたら、今日はもう5月も中盤に差し掛かっています。このところ、時間の早く通り過ぎていくことに驚かされます。これは一般的には日々が単調な故というのが本当らしいです。変化がなければその間がなかったと同じにしか思えないからなのでしょう。変化に富んだ日々を送っていれば色んな刺激が自分の中に残っている筈で、その思い出を辿ることで日々を数えることができるのでしょう。自分の中では、スケッチを何枚を描き、家の中の模様替えに頭をひねり、庭の雑草と格闘し、それなりに忙しく時間を送っているのですが、それらは恐らく人生に大きな影響を与えるような刺激的なことではなかったということなのでしょう。刺激的でないこともやっておかないといけないこともあるのでしょうから、自己否定的になる必要もないでしょう。時にはそういう時間も生きていくためには必要でしょう。「スローに生きる」、そして「受け入れる」・・・これが最近の私のモットーです。「副交感神経を活性化させる」ためです。

吉田修一:「永遠(とは)と横道世之介」

 横道世之介シリーズの完結編であることはタイトルから想像がつく。これは新聞の連載で読んだものである。と言っても細切れで読んだわけではない。というのは私は新聞のデジタル版の購読者なので、こういう連載小説はHPのアーカイブスのようなところに全部保管されているのでまとめ読みが可能なので...