2019年1月16日水曜日

新年だから気になること(石油)

平成の回顧がこの時期の流行なので、便乗して気になることをボツボツと書いてみたいと思った。
地球は一つ、掛けがえのない地球。人類が消費している数多の資源の中で、最初に資源の枯渇化が危惧されたのが「石油」だった。1970年代には石油資源はあと30数年で枯渇するという説が流布したのは記憶に新しい。2度にわたるオイルショックも記憶に新しい。そうした中で救世主ではないか、夢のエネルギーとして脚光を浴びた原子力利用発電。日本にとってはこれこそ地政学的に資源輸入国からの脱却を図れるチャンスと捉えられ、自分たちも学校で習った覚えがある。しかしそれもあえなく幻想と分かった。原子力発電所の安全設計に潜んでいた想定外の脆さを東日本大震災で知ったから。天変地異やテロなどの脅威にさらされ、原子力発電には将来がないと知らされた。
本題に戻る。石油資源の枯渇は2018年時点でも未だに4,50年後といわれている。陽炎の逃げ水のように枯渇のリミットが先へ先へと延びていく。その理由は、一に掘削技術の技術革新と新油田の発見、二にEV(HEV)によるガソリン消費量の削減効果、三にガスや石炭の新規技術利用による新たなエネルギー源による代替え効果だという。話題になっているアメリカのシェールオイルも一に分類される大型の新油田ともいえる。アメリカはシェールオイルの事業化によって数年後には産油国としての新たな覇権者の顔を持ち始めるだろうともいわれている。
日本が頼っているエネルギー源に占める化石燃料の割合は1978年で94%、2010年81%、そして2016年89%。2011年の東日本大震災後の原子力発電がほとんど停止している状況が明確に出ている。石油に限って調べると全エネルギー消費に占める割合は1978年では75.5%を、2016年では39.7%と大幅に減ってはいる。代わりに大きく伸びたのはLNG(液化天然ガス)だから化石燃料であることには変わらない。
興味深いデータとして、最終エネルギーの消費の推移を見ると、1999年から2007年あたりがピークでその後エネルギー消費総量は下がり始め、2015年では25年前(1990年)と同じレベルにまで低下している。その中で、想像通り産業部門がもっとも省エネ効果を出していてその他の業務分野と家庭分野が増え、運輸部門が横ばいという。昨今、街では宅配便の車を多く見掛けるようになっていて、運輸分野といってもその消費構造は25年前とは様変わりになっていることと思う。日本の将来を考えるときエネルギー源をどこに求めるのか?原子力の復活を抑止するためには自然エネルギーの活用をさらに増やすこと、一般家庭の消エネ意識のさらなる徹底、運輸分野(この細かな分類が分からないが)の省エネ努力が必要だという気がする。運輸分野というのが航空機、鉄道・バス、陸運、マイカー?辺りであれば、まだまだ節約の余地はありそうだ。宅配便の受け取り主不在による運行ロスだけでも相当なものになりそうだ。自分が主に利用しているクロネコ便では会員登録して事前に配送時間をネットで指定できるサービスがあり、不在連絡票をもらう回数が大幅に減っている。他の宅配便にも早くそうしたサービスを始めるべきだろう。追う言うサービスがない業者は使わない、という消費者意識も必要に思う。

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