2014年3月5日水曜日
なかにし礼:「赤い月」(下)
波乱万丈で森田酒造主人勇太郎とその妻、波子の運命は成功の絶頂から奈落へと転げ落ちていきます。ソ連軍の満州侵攻が始まったのです。昭和20年8月9日。そこから牡丹江脱出、ハルピンに到着して日本人避難民収容所入り。1年後に帰還が始まり日本に帰りつくまで一気に読みました。この読んでいる数日の間に、NHK朝の連ドラでは、西門家の当主、悠太郎は満州に軍属として単身赴任し、大阪は空襲でめ以子一家は焼け出されました。これはドラマの世界ですが、リアルの世界では、ロシアがウクライナ領であるクルミア半島で事実上支配下に置いた。プーチン大統領は戦争する気はない、本土に進行するつもりはない、と言っているがそれは取引の上の条件付きであることは明らかでしょう。今時でもこんな露骨な干渉がまかり通るのですか。力を背景にした有無を言わせぬやり方を見せつけられると暗い気持ちになりますね。読んでいる本と同じことがドラマやらリアルの世界で展開される偶然、に驚いています。70年前と同じことが繰り返されているのです。ベトナムやアフガン、アフリカ、アラブと続いてきた戦争は被抑圧側と抑圧側との争いであるのに対して今回のウクライナ問題は、冷戦時代の延長戦にあるような体制間の争いを再現しているように感じます。日本では安倍首相が一人ほくそえんでいる図柄が眼に浮かぶようです。彼は危機感を煽る舞台装置をこそ待ち望んでいるからです。近間に、中国や北朝鮮の何をしでかすか判らない国々を持っているわが国にとって確かに、平和憲法を守り通すことの難しさを感じさせます。偶然が重なることで歴史が大きく変わった過去を思い出します。冷静さを失わず、問われる民意の中に賢明さを出さなければいけない正念場に立たされていることを感じます。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
吉田修一:「永遠(とは)と横道世之介」
横道世之介シリーズの完結編であることはタイトルから想像がつく。これは新聞の連載で読んだものである。と言っても細切れで読んだわけではない。というのは私は新聞のデジタル版の購読者なので、こういう連載小説はHPのアーカイブスのようなところに全部保管されているのでまとめ読みが可能なので...
-
2017年の夏、水をやり過ぎたのかみるみる萎れていった鉢。どうなることかと元気そうな株以外は全部、泣く泣く外して生き永らえた。相模原に引っ越して気長に付き合ってきた甲斐があって去年夏ごろから生気が帰ってきていた。水溶液の肥料などをやりながら時に日光浴させてきたら3年振りに開花した...
-
この日もぽかぽか陽気の暖かな日だった。 多摩モノレールで立川の1つ手前、「柴崎体育館前」で下車して高架から下に降りると、もうそこが根川親水公園だった。湧水が作り出す小川を整備して遊歩道に仕立ててくれている。絶好のスケッチポイントだった。驚いたことに大通りのすぐ脇の高木にアオサギ...
-
NHKカルチャーセンター主催の水彩画講座(2時間*3回)の第一回を受講しました。これまで無料のZOOMアプリを使って家族やNPOのリモート会議を何回か体験してきました。また、NPOで開催しているシルバーの人たちに向けてZOOM会議の受講の仕方、主催の仕方などの講義をしてきました...
0 件のコメント:
コメントを投稿