2014年9月1日月曜日

高田郁:「銀二貫」

先頃NHKテレビで放映されていたドラマの原作です。テニスクラブでHさんからお借りしました。一応マークしていた本ですが、図書館では待ち行列400番台で止めていました。郁と書いて「かおる」と読ませるようです。1990年代は漫画家として活躍され、八朔の雪 みをつくし料理帖で有名になった。これもテレビ放映されているが見た記憶はない。

読み進んでいくとテレビでこの「銀二貫」は1回か2回見た覚えがあった。テレビでは寒天問屋「井川屋」の主「和助」を津川雅彦がやっていてこれが適役だったという印象が強い。登場人物が皆、善人で特にその番頭の善次郎が常識をわきまえた主人想いで一徹なところが良い。銀二貫を貯めて信心している大阪の商人の守り神、天満宮に寄進することが望みというのも善人ならではの願望でしょうか。ようやく貯めた銀二貫ですが、都合3回に亘って寄進寸前に別の用途に使われてしまう。善次郎はそれがたまらなく悔しい。しかし、その銀二貫が次々と「井川屋」の運命を切り開いていく。ここでも大阪の火事が数年毎に起こり、災害の多い日本を象徴している。すこし、文章は粗いがストーリーは面白い。あっという間に読める人情話。この領域では昔読んだ山本周五郎の「五弁の椿」が面白かったなぁ。

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