2015年9月7日月曜日

角田光代:「私の中の彼女」

タイトルの彼女とは「祖母」的なもの、のことと理解。単なる読み物ではない。叔母の生涯を土蔵の中から見つけた1冊の本や残された手紙を通して想像する。母からは軽蔑の言葉でしか説明されることのなかった叔母の生涯を想像し、なぜか惹かれ続ける。本物の人間を、苦悩しながら成長していく自分をもう一人の自分が見つめる小説だった。読み進めるうちに、なるほどいいタイトルにしたね、と言いたくなってくる。読ませる本だった。

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