2018年3月19日月曜日
西加奈子:サラバ!
2017年度の本屋さん大賞ノミネート作品で、結果第2位だった作品。上下巻からなる長編で、出だしの幼少期から小学生の低学年ぐらいまで少し冗長?と言えなくもなかったが、主人公が中学生になる頃中盤以降は快調な語り口で読ませる作品となっていて、特に下巻となると、大学生時代、その後のフリーライター時代と語るべきことが多くなり面白く読んだ。主人公を男の子にした幼少期から真に自立する30代半ば頃までを描いた自伝的青春小説だ。高校生時代に阪神淡路大震災を体験し、大学を卒業してほぼ10年ぐらいして今度は東京で東日本大震災に遭遇する。イランに生まれ、エジプトで小学生時代の4年間を過ごしたという日本人では得難い海外生活を体験してきたらしい著者の稀有な体験が読む側を惹き付けてやまない。さらばという日本語の武士たちの挨拶語が本編を貫くキーワードになっていた。登場人物が皆、そこらあたりにいる人達とは一味違う特徴ある人たちなので、小説らしい躍動感が感じられて面白かった。西加奈子(1977年生まれ)という作家との初めての出会いだった。
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