タリスカーというスコッチを知っているかと問われ、「知らない」と返事したことははっきり記憶していた。
図書館で予約の図書を受け取りに行った時、メール連絡では宮本輝の作品1冊、だけだったのに係の人が持ってきてくれた本は2冊、その内の1冊がこの「始まりの木」だったが、私はそんな本は借りた覚えがないというと今日届いたのでまだ連絡メ-ルは届いていなかったかもしれないという。狐につままれたように借り受けた本は宮本輝の「灯台からの響き」に優先権を取られて待ち受けモードへ。そして宮本輝が終わって「始まりの木」へ。ネットで調べればヒントは得られたかもしれないが、読めば判るという勢いでページをめくった。5章に分かれて変わり者の民俗学の准教授古谷神寺郎に同行する修士1年の藤崎千佳が主人公兼舞台回しで国内の5か所の巨木の名勝地を巡りながら成長していく。巨木が日本の土着信仰の原点の一つだという認識はあったので十分付いていける話だった。その最終章でいきなり「タリスカー」が登場したのだ。思いがけなかったがその時、そのスコッチの名前を尋ねたLINEの会話がよみがえってきた。ああ、あの時にそのスコッチが出てきた小説の名前を聞いて、その本を予約したということを。すっきりしたが本は残すところ20数ページ、だがすっきりした気分でフィナーレを迎えることができた。
0 件のコメント:
コメントを投稿