2021年5月12日水曜日

夏川草介:「神様のカルテ2」

 連休の上に緊急事態宣言」発令でボランティア活動や野外でのスケッチも中止となり、家にいる時間が増えた。この際だからと長い間お預けになっていたアルバムの整理にも取り掛かった。それでもなんでも一つことに集中する時間が短くなった。足腰の衰えを感じるので散歩の時間を増やさなければという想いも強い。去年踵を痛めたこともあって水泳など始めたがそれだけでは足腰の衰えを補うことは難しいようだ。そして読書。水彩を描いたりと結構忙しい。

目下、はまっているのが夏川草介の「神様のカルテ」シリーズ.

3冊目がこの「神様のカルテ2」だ。本庄病院勤務5年目を迎えて堂々たるこの内科を支える中堅医師で看護師たちからも絶大な信頼を得ている。24時間、365日診療を標榜する中核病院だがその忙しさは勤務する医師にとっては地獄のような超多忙の日々が続いている。そこに新任の医師がやってきた。卒業以来顔を合わせることもなかった新藤辰也大親友。東京の最先端の病院に行って何を好んで本庄病院に戻ってきたのか?実家は松本市内のど真ん中のお蕎麦屋さん。医学部の良心ともたたえられていた秀才の新藤医師が意外な行動をとってみんなを驚かせる。その謎を解き明かしながら話は進んでいく。本書のクライマックスは内科の副部長である古狐先生の突然の発病と死だ。本庄病院内科を支える古狸先生の片腕である古狐先生、この二人の医者としての理想を追求する拠点がこの本庄病院だったのだ。その原体験を交えながら、古狐先生の生を全うさせる周囲の温かい気持ちに読み手も心休まる思いがした。本書で居酒屋「久兵衛」で出てくる日本酒の銘酒は「夜明け前」、「白馬錦」、「信濃鶴」、そして「寫楽」。こんな飲み屋が近くにあったら嬉しいのになぁ・・・。

0 件のコメント:

コメントを投稿

吉田修一:「永遠(とは)と横道世之介」

 横道世之介シリーズの完結編であることはタイトルから想像がつく。これは新聞の連載で読んだものである。と言っても細切れで読んだわけではない。というのは私は新聞のデジタル版の購読者なので、こういう連載小説はHPのアーカイブスのようなところに全部保管されているのでまとめ読みが可能なので...