作者のキャリアにキュレーターとしてアメリカや日本で活躍したという時期があり、美術作品やキュレーターを主役にした作品が結構多い。本作もタイトル通りパブロピカソとその代表作「ゲルニカ」誕生秘話を再現するという極めて野心的な作品と見受けられた。そしてその期待に沿った展開は読み応えあった。何といっても1937年ゲルニカ誕生時の愛人、ドラ・マールが果たした役割が生き生きと描かれている。この歴史的な流れを横糸にしている。そのゲルニカを10歳の時にMOMA美術館で見た瑤子はピカソ研究で実績を残し、MOMAのキュレーターとして活躍している。2001年911事件を背景にしてゲルニカを再び、MOMA美術館に持ってこようというプロジェクトを縦糸に物語は進んでいく。面白かった。この作者特有のことだが材料が多すぎてそれを調理するのに忙しいきらいがある。もう少し絞ってもいのではないかと素人ながら思ってしまう。生意気か?
2021年9月18日土曜日
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吉田修一:「永遠(とは)と横道世之介」
横道世之介シリーズの完結編であることはタイトルから想像がつく。これは新聞の連載で読んだものである。と言っても細切れで読んだわけではない。というのは私は新聞のデジタル版の購読者なので、こういう連載小説はHPのアーカイブスのようなところに全部保管されているのでまとめ読みが可能なので...
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あぁ、良かった!
返信削除以前、このブログを拝見したとき、マドリードのソフィア王妃芸術センターでこの「ゲルニカ」を見たことがあるとコメントを入れたかったのですが、何度クリックしても入れることができませんでした。
最近になって「ゲルニカ」にはいろいろな変遷がありようやくピカソの故郷に戻って来ることができ、しかもあのようにすばらしい場所で人々が自由に見ることができるようになったということを知りました。
コメントありがとうございました、ゲルニカが収まるべき場所に収まっているのを肉眼で鑑賞されたことがあるなんて素敵ですね。
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