2022年2月4日金曜日

石原慎太郎、瀬戸内寂聴:往復随筆「人生への恋文」

 高校時代からの友人Nさんから送ってもらった本、引っ越しなど色々忙しくて3か月掛かってこのほどようやく読み上げた。寂聴さんの訃報(2021年11月11日、99歳)を聞いた時も多忙のさ中で本のページをめくることはできなかった。お二人は年齢が10歳以上違うのに親しい付き合いをされていたことを本書で初めて知った。ここまで書いたところでInternetニュース速報で石原慎太郎死去の報が飛び込んできた。

3日を置いて書いています。改めて前書きを見ると2003年8月となっていた。19年前だ。当時の慎太郎さんは丁度70歳だった訳だ。そこでは人生の意味について「彼、あるいは彼女が人間として生きていく間に何に出会い、何を感じ、それにどう向かい合ったかという事実の集積を当人自身がどう捉えるかということに違いない。」と記している。人生の意味は自己評価なのだと改めて思う。慎太郎さんが過去の大家の名言を交えて自分の見解を投げかけ、寂聴さんがそれに柔らかく受け答える、というスタイルで進んでいる。「」老いるということ」という外題のやり取りが面白かった。最後に帯に書いてあったお二人の言葉を書き写しておきます。

瀬戸内寂聴:出家した後の自分の時間は、死のふるいにかけられた金砂のように思われ、感動する喜びを永続させています。

石原慎太郎:老いもまた楽し。この年になって初めて私の年齢の人間が味わっている満足なんぞ、若者わかる訳がない。

お二人のご冥福をお祈りします、合掌。


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