2022年2月18日金曜日

辻仁成:「サヨナライツカ」

 いつも人はサヨナラを用意して生きなければならない

孤独はもっとも裏切ることのない友人の一人だと思うほうがよい

愛に怯える前に、傘を買っておく必要がある

どんなに愛されても幸福を信じてはならない

どんなに愛しても決して愛しすぎてはならない

愛なんか季節のようなもの

たた巡って人生を彩りあきさせないだけのもの

愛なんて口にした瞬間、消えてしまう氷のかけら

サヨナライツカ

永遠の幸福なんてないように

永遠の不幸もない

何時かサヨナラがやってきて、何時かコンニチワがやってくる

人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと

愛したことを思い出すヒトにわかれる

私はきっと愛したことを思い出す

ー-ー-冒頭の詩を記録しました。


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