友人のNさんから送られてきた本。五木寛之は深く「歎異抄」を読み込んでいるようだ。自分は高校生時代に手に取ったことがあったが数ページ読んでとても手に負えないとギブアップした記憶だけはある。人間の運営とは何なのか?運命は変えられるのか?という壮大なテーマに取り組んだ2009年の力作のようだ。あとがきにこうある。
「運命に身をまかせる気はない。しかし、運命に逆らうこともできない。そこでできることは、ありのままの自己のうんめいを「明らかに究める」ことだけだ。自分の運命をみつめ、祖の流れをみきわめ、それを受け入れる覚悟を決めることである。そのことによってのみ、運命にもてあそばれるのではなく、運命の流れとともに生きることが可能になるのではないか。私は、やっと今そんな風に前向きにうんめいについて感じられるようになってきた。」
加島祥造の「受け入れる」に通じるものを感じた。