「終わった人」というドラマ風の本の連作ものにこの「すぐ死ぬんだから」があると知り、図書館から借りて読んでみた。「終わった人」がタイトルから連想されるように定年を迎え、祖語の日々をどう過ごそうかと苦闘するサラリーマンを描いているのに対し、こちらはそれから10_20年を経た年代の、謂わば内館さんと同年代の幸せに過ごしてきた夫婦が実は驚きの欺瞞の中にあったことを知り、天地がひっくり返るような驚きを体験し、乗り越えていくお話しだった。80歳代を前にして、絶対に年より臭く見られたくない妻と俺は自然体の生き方でいいよ、という折り紙が趣味の夫。その夫はいつも妻を「最高の人」と褒め上げていた。夫婦間では勿論、人前でもそう言って憚らない、そんな夫婦だった。その夫がある日、突然亡くなってしまう。どうやら数週間前に転倒して頭を打ったことがあったらしくてそこからの出血が原因だったが遺品の中から、本人が出入りするはずのない意外な場所の病院の診察券が出てくる、息子に手渡してあった重要書類箱から遺言書が出てきて相続に関する意外な内容から物語は急展開する。その意外な顛末は・・・・・。タイトルから想像するのとは一寸違って、やはり内館流のホームドラマ仕立てではあったが面白く読んだ。
2022年10月13日木曜日
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