2011年3月3日木曜日

藤沢周平:「暗殺の年輪」(文庫)

「漆の実の実る国」と同時に読み進めました。文庫本ですので電車などで外出する時に持参して読み進めました。表題「暗殺の年輪」は1972年直木賞受賞作。このほかに「黒い縄」、「ただ一撃」、「暝い海」、「囮」が一緒に集録されていました。どれも凄い、と感じました。特に感心したのは葛飾北斎の最晩年を描いた「暝い海」はぞくぞくするような北斎の老いて、かっての輝きを今一度と夢見るが、如何せんインスピレーションから程遠くなっている自分に気付かされていく心理描写は読ませるものでした。実はこの話は数ページ読んだところで(これは前に読んだぞ)と気付いたのですが、ほとんど初めてと同じようにぐいぐい読ませるものでした。「暗殺の年輪」も良かった。しばらく藤沢周平が続きそうです。

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