2011年5月4日水曜日

最近読んだ本

城山三郎:「押すか、もう君はいないのか」・・・これはフィクションではなく、奥さんをなくした老境の人の話。

川上弘美:「真鶴」・・・子供を得て間もないカップルの男が突然失踪して早7年、原因もわからず、生死も判らない。宙ぶらりんのままでの喪失感。

2冊に共通するものは、「失ったもの(人)の大きさ」に戸惑い、そこを乗り越えようと努力している人の姿を描いている点。今夏の大震災のような天変地異ではなく、しかしごく普通にも人は死んで行く。残された人に漂う喪失感をどう乗り越えていくのか?年齢によって違うでしょう。また、男性と女性とでも違うでしょう。この組み合わせだけでも4通りの喪失感があるわけですね。

偶然図書館で手にした本特に内容も吟味せず選んだ本がこんな共通点を持つものだとは読むまで知りませんでした。そしてその間に東日本大震災が起こり、2万数千人の死者・幾重不明者を出しました。このタイミングの一致には偶然とはいえ、不可思議を感じました。

0 件のコメント:

コメントを投稿

吉田修一:「永遠(とは)と横道世之介」

 横道世之介シリーズの完結編であることはタイトルから想像がつく。これは新聞の連載で読んだものである。と言っても細切れで読んだわけではない。というのは私は新聞のデジタル版の購読者なので、こういう連載小説はHPのアーカイブスのようなところに全部保管されているのでまとめ読みが可能なので...