2012年1月29日日曜日

梁石日:「海に沈む海」

この作者との対面は今回が2度目です。画家「黒田征太郎」の青春時代を基にしたというト書きに惹かれて読むことにしました。「黒田征太郎」はニューヨークで修行してきたグラフィックデザイナーというか、現代アート作家(画家)というか行動派ですね。案の定、凄まじい青春時代を過ごしてきたことがこの本を通して知ることができました。16歳で家出をし、船員としてLST(上陸型運搬船)で朝鮮戦争当時の沖縄から韓国、台湾、ベトナムなどを航海したり、大阪で怪しげな密輸品の販売などを手がけたり、ともかくも破天荒です。ニューヨーク時代もすごい。あとがきで親友が名前も変えてはあるが、ほとんど知っている人には思い浮かぶ実在の人物が思い浮かぶほどリアルなのだそうです。黒田は現在もニューヨークに在住しているようですね。

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