2012年6月10日日曜日

包丁職人

こんな言葉があったのですか?知りませんでした。ここでいう包丁はマザーマシンに相当するのでしょうね。

要するに、料理を作るには包丁は必須の道具ですね。しかし、包丁という道具は使いようによっては人をも殺める凶器にも変身します。この場合、最近の世の中では国は何をしているのか?規制はしていないのか?と。
同じことはもう10年ほど前になるのでしょうか?WINNYというネットワークを介して情報を共有化する誠に使い勝手の良いツールを開発した日本人がいました。しかし、不幸にして初期のころにこのソフトを利用して違法コピーがネットの世界に横行してしまい、この方は司直の手で逮捕され有罪となりました。幸いにして最高裁まで行って無罪となりました。ここでは、WINNYというソフトが正に「包丁」だったのです。今ではネットの世界ではこの技術(正確に言えばこの考え方)を応用して様々なサービスが 提供されて我々は便宜を享受しています。この開発者が起訴された理由は『違法なファイルのやり取りを助長し、著作権法違反を幇助した』という点でした。この理屈が成り立てば、先に書いたように極論すると、ある包丁で殺人が起きれば、包丁を作った職人も処罰される可能性があるという事。勿論そんなことにはならないのにWINNYでは起こったのです。本当に気の毒なことでした。この文章は、ソフトの世界で同じ日本人ですがRUBYという優れたソフト開発言語を開発したまつもとゆきひろ氏の発言であるだけにその意味するところは重いのではないでしょうか。WINNYに欠陥がない訳ではないのでしょうが逆に、そうしたソフトを取り締まる法律がないままで開発者を起訴してしまう検察(国家権力)の怖さがある。このところ相次ぐ、検察の強引な逮捕、起訴、有罪そして、10数年を経て再審請求を受け入れるというような流れを見聞するにつけ、その思いが強まります。

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