2014年3月15日土曜日
佐渡裕:ベルリンフィルを指揮
朝のBSテレビを何気なく見ていたら、アーカイブスで2011年放映の「佐渡裕、ベルリンフィルを指揮」というようなタイトルのドキュメンタリ番組が始まり、思わず見入ってしまいました。その年の6月にベルリンフィルの指揮を振ったのでした。そのことは記憶にもありました。あの3.11が起きた後でした。当然その1年も前から6月に指揮をすることは決まっていたわけですが、客演指揮というものの怖さがビンビン伝わってくるものでした。指揮者という職業の過酷さを思い知らされる映像でした。「一期一会」という言葉がありますが、オーケストラの団員からは「今度の指揮者は何者なのだ」、「どこまで曲を理解し、どういう表現をしようとしているのか」見極めてやるぞ・・・と待ち構えているわけで、最初の10~15分ほどで勝負は決まると言っていました。成程、判るなぁ。オーケストラの団員の言葉。「自分たちの名誉にかけて変な演奏はしたくない。だけど指揮者の表現したいことがよく判らないと思った瞬間に、皆で自分たちのハーモニーを適当に作り出すんだ」、とクールに話す。人と人との出会いでもその人の第1印象で殆んど相手の全体像が判る、そんなものですよね。1人の指揮者と100人近くのオーケストラ団員とのファーストコンタクトもやはり10~15分で決まるということでした。100人の団員の心を掴んで1つの曲を指揮者の表現したいように演奏させる。指揮者に求められる力量というのは凄いものです。ベルリンフィルでの客演指揮者に与えられる練習時間は2時間を2回、計4時間なのだそうです。佐渡裕がどの程度受け入れられ、認められたのか映像からだけでは十分には伺い知れませんでしたが、100点満点で70点程度だったのかなぁ、というのが印象でした。全くノーではありませんが、完全にブラボーというほどでもないといったところでしょうか?客演を依頼されるということはそうそうあるものではない(ベルリンフィルではオーケストラ団員の意見で客演指揮者は選ばれるのだそうです)ので再演を依頼されるのもこのあと数年後かもしれないし、10数年後かもしれない、もう全く呼ばれないかもしれない・・・そういう不安感を自分の心に刻み込んでまた次の演奏に全力全霊を注ぐ、これしか指揮者がやれることはないのでしょう。常に「一期一会」の世界を武者修行しているのですね。厳しい世界です。
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