2014年10月1日水曜日

三浦しをん:「まほろ駅前多田便利軒」

近日上映予定の映画に「まほろ駅前狂騒曲」というのがあるらしい。「舟を編む」で注目していた三浦しをんの作品で何となく気になっていました。先頃、図書館の返却本の棚を見ていて見付けた。図書館に行くと必ず覗くコーナーが返却本のコーナーなのです。何故かと言えば、皆さんはどんな本を読んでいるのだろうという野次馬根性そのものからです。そして時々このコーナーから本を借りるのです。今回はこの本。面白いと同時にこの便利軒を営む多田啓介、なんでこんな商売をするようになったのかという謎を伏せて、物語が進み、チラチラと見せる内心の思いの中に過去の思い出したくない封印してある思い出を持っていることを滲ませながらいろんな出来事に遭遇していく。

その舞台がなんとまほろ市(町田市)なのです。日ごろ活動しているNPOの本拠地が町田なので多い時は週に3度も町田市まで出向く。我が家からは快速を利用すればJR横浜線で25分、家からのドアツードアで50分ほども掛かる。町田駅前の混み入った市街地をリアルになぞる描写を実際の街並みを思い出しながら読み進めるのがこれほど興味深いとは思わなかった。小説自体の面白さを倍増させてくれる。町田という街に馴染みのない人にはこのプラスアルファは恐らく付かないだろう。引き続いて「まほろ駅前番外地」を予約した。狂想曲はまだまだ先になりそうです。その前に映画を観てしまうことになりそうです。

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