2014年10月13日月曜日
池井戸潤;「下町ロケット」
これも本屋さん大賞だったかもしれません。東京は大田区の町工場というよりかなりしっかりした年商100億円近い中小企業「佃製作所」を舞台にした技術を売り物にする一寸とんがった会社が舞台でした。宇宙開発のための打ち上げロケットに使われる水素燃焼エンジンのキーデバイスをこの佃製作所が先行開発に成功したのです。何故かと言えば、この会社の社長は数年前まで宇宙開発推進機構の中核エンジニアだったのです。ある時期の衛星打ち上げロケットで自分の開発した推進エンジンが故障して打ち上げに失敗し、挫折感を味わい、そこに父親からの帰ってきて家業を継いでもらいたいという願いが降ってわいてきて今は社長業をやる傍ら、、水素エンジンのバルブシステムを開発してきたのでした。大企業や主力取引銀行、同業大手のメーカとの絡み合いで物語は進んでいきます。社長の宇宙開発ロケットに賭ける夢、従業員の会社に対する希望、そのギャップは中小企業のマネージメントの難しさの中では贅沢な悩みなのかもしれませんが、悩みの質は違っても、顔の見える小さな集団の中ではむしろ考えの違いは先鋭化するかもしれませんね。自分の現役時代の最後は親方日の丸かもしれませんが子会社の経営の一端を担っていただけによく判る物語の設定でした。そういう背景もあって一気に読み終えました。評判になっただけのこともありますし、ある意味では日本人を勇気づけるプロジェクトX的なお話でもありました。
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