この小説のタイトルにある文字通り、車のタイヤが走行中にはずれて飛んでいくという事故をきっかけにこの事故が整備不良なのか、それとも本質的な設計上の欠陥からなのか、タイヤを装着するハブを設計・製造してきたメーカーと利用者とが真っ向から対立するが所詮この戦いに利用者側の勝ち目はない。そこをどうかいくぐって真相にたどり着くのか?普通では到達できないほどの難関を乗り越えて「正直者が馬鹿を見ない」結末を導いてくれる。ここ数日来メディアを賑わしている東芝の利益上積み工作と根底に流れるものは同じ、サラリーマンのジレンマ、人間として生きるのか企業の中で企業論理の中で生きていくのかが問われる。最後の味方は内部告発だった。これも東芝問題と同じなのだろうか?ちょっと違うような。システム・形をいくら作ってもそこで動いている人のモラル&モラール*に本質の問題はある。この話とは別だが昔読んだシドニィ・シェルダン作の「ゲームの達人」を思い出した。ともにエンターテインメント小説の代表格のように浮き沈みが激しいジェットコースター小説ともいえる。
*広辞苑より引用
モラル【moralイギリス・moraleフランス】
①道徳。倫理。習俗。「―に欠ける」
②道徳を単に一般的な規律としてではなく、自己の生き方と密着させて具象化したところに生れる思想や態度。
モラール【morale】
志気。やる気。「―を高める」
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