2016年1月20日水曜日

二十四の瞳

先日、昼食の後何気なくテレビを点けると、前に見たままのチャネルでそれはBS3でモノクロの映画が始まるところでした。昔なつかし波頭が打ち寄せる海岸と富士山、忘れようもない松竹映画のタイトルバックでした。続いて文部省選定・・・これも良く見たキャッチコピー、これなら学生でも映画館に足を踏み込める免罪符のようなものでしたね。何と「二十四の瞳」でした。監督:木下恵介、音楽:木下忠司、高峰秀子が女先生「大石先生」役で20歳そこそこの小石先生から50歳過ぎの「泣き虫先生」までを演じていた。原作は壺井栄。日本の童謡や小学唱歌が随所に流れ、懐かしい日本の原風景を映し出していました。小豆島が舞台でしたね。のんびりした時代の半農半漁の村に、何となく戦時の黄なぐささが漂い始め1937年には盧溝橋事件が勃発し、日中戦争へと戦火が拡大していく。そういう時代の最初の赴任地は岬の分校。そこでの12人の子供たちとの出会いから2年で、大石先生は本校に転勤になる。子供たちの一寸したいたずら心で作った落とし穴に落ちて足の骨を折ったのがきっかけだった。2年生の子供たちが先生の家まで見舞いに行く。そのエピソード位しか見せ場はない。後は時代にどんどん流されていく。教え子が戦地に狩り出され、夫も召集そしてあっけなく戦死する。12人の子供たちの内、戦死者が4名ほどで、残った教え子の子供たちを教えに再び岬の分校に復職する。そこで開かれる同窓会が最後のクライマックス。そんな時代でしたね。涙腺も緩みがちで、懐かしさにも駆られ、ついに最後まで見てしまいました。

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