2016年7月16日土曜日

伊集院静:「駅までの道を教えて」

小学1年生のサヤカちゃんの心に映る「人の死をどう捉えたら良いの?昨日まで会っていて今日は突然目の前から居なくなるってどういうことなの?」
一人称で語るメルヘンチックながら悲しい生命というものの儚さを語り紡いでいました。他に短編7編。野球が好きな作者らしく、どの掌編にも野球選手や少年時代の野球チームのこと、そしてとりわけキャッチボールの話がよく出てくる。これは本当によく分かる、自分も子どもたちが2人共男の子だったので、小学生時代には本当によくキャッチボールをやったものだ。キャッチボールは言葉は使わないが、投げる球に言葉を乗せることができる。珠を投げ合っているうちに子どもと会話をしている自分にいつも気が付き嬉しくなる。ドンドンストライクを投げたくなる。それが外れると素直に「ごめん」という言葉が出てくる。子供からもそれが素直に出てくるようになる。素晴らしい時間だったなぁ。

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