2016年7月24日日曜日

耐震構造について思うこと

先日、上野の西洋美術館がル・コルビュジエ設計ということで世界に残っている17棟の建物の一つとして世界遺産登録に指定された。その記事では、建物まるごと基礎まで持ち上げて免震構造物で支える「免震レトロフィット工法」が採用されているという点も評価のポイントだったという。この工事は阪神淡路大震災を教訓にして実施されたものだそうで、この免震工事は1996~1998年の3年に及んだ。この間何度も上野に通っていたが、いつも工事中であることに何の注意も払わなかったがそういう工事だったらしいことが今にして認識できた。この西洋美術館は1959年開館で既に50年以上が経過している。鉄筋コンクリートの建物のて耐用年数は何年ぐらいなのだろうか?調べてみると、どうやらルッカリー・ビルディングでアメリカ合衆国、シカゴ、1886年竣工とあった。手入れを怠らなければ100年以上は使えるらしい。そう考えると石造りの建築物や木造建築物など天然の素材をベースにしたものの耐用年数は驚異的と言わなければならない。文明の発展とか言っているが、人工物で作られた物の耐用年数はまだまだ天然素材のそれに及ばないことになる。因みに免震装置に使われているゴムは寿命が短そうで調べてみるとやはり100年程度の耐用年数しかないらしい。その頃にはまた掘り返して、免震装置を最新のものに置き換えなければならないということになるのだろう。それにしても法隆寺などの建築群は7世紀中の建立というから、実に1400年、この災害王国で生き延びてきたことは奇跡以外の何物でもないのではないか!勿論解体修理を施してきたこともあるが、これは鉄筋コンクリートの建て替えとはやはり違うものでしょう。この法隆寺五重塔が<a href="http://pedpa.co.jp/library/tower.html" target="_blank">「耐震設計の教科書だとする解説のサイト」</a>を紹介しておきたい。素晴らしい先人の知恵とその解説だ。貴重なWebサイトと言える。

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