2016年9月19日月曜日
真山 仁:「コラプティオ」
「コラプティオ」同名の小説が正に仕上げの最終稿を送る締め切り日、2011年3月14日の3日前に東日本大震災が発生したという皮肉。それから作者は原稿用紙で500枚に近い書き換えをして、このハードカバーの本は出版されたという。奥付を見ると2011年7月30日となっていた。この本では、執筆時の民主党政権の迷走ぶりを目の当たりにして、原発を国際的に売り込むことで日本再生を図ろうという壮大な夢を実現し、国民に夢と希望を与えるという政治の役割を提案型で示した政治小説でした。小説に出てくる救世主的な政治家は誰をモデルにしたものだろうかと頭を捻りながら読み進める所はある意味で、先日まで読んでいた山崎豊子の小説を思い出させるような時代性を持ち、今の日本についても思いを馳せざるを得ない説得力を持って迫ってくる。因みに「コラプティオ」とはラテン語で『疑獄』の意味だそうです。アフリカのウラン鉱脈発見とその採掘権をめぐる疑惑を底流にした小説だったのですが、そういえば先頃、日本主導のアフリカ開発会議(TICAD)が開かれ、<a href="http://www.jica.go.jp/topics/feature/160822.html">安倍内閣は多額の援助</a>を表明した。何となく平仄が合わさるような話でもあり、自民党の党則を総裁任期2期を3期以上の再選もあるように変えようとか長期独裁政権への歩みを感じるにつけ・・・昨今の話題を先取りしたような時代の嗅覚が凄い、と思いながら読み終えた。
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