2016年9月2日金曜日

山崎豊子:「沈まぬ太陽」(会長室編・下)

5冊目の最終編。巨悪のゴールに迫ったかと思えば、更にその奥に巨悪の巣窟、という感じで戦う相手は大物になっていく。そして時の首相から三顧の礼出迎えられたはずの外部から招聘された会長と恩地の前に立ちはだかったのが何と利権につながる時の首相その人であった。会長は去り、恩地に再びナイロビ支店長への転勤辞令が下りる。それでも彼は会社の理不尽が続く限り会社をやめることなくナイロビへと赴任して終わる。ただ最後の救いは司直の手が同時に伸びて、一寸の光明を感じさせはするのだが・・・・巨悪は滅びない、という言葉が頭から離れない。

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