2018年7月20日金曜日

映画:「万引き家族」

2018年・第71回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で最高賞のパルムドールを受賞した作品。おばあさんと夫婦、娘一人、男の子一人の5人家族が通りがかりに助けたDVで傷ついた女の子を自分の子供として育て始める。家計はおばあさんの年金と自分たちのアルバイトのような仕事が収入源。当然足りない不足分を主人公の男は万引きで補う。男の子に万引きの手伝いをさせ、拾った女の子にも教える。やがてこの家族が全員血がつながっていないことが明らかになっていく。家族ぐるみで軽犯罪を重ねる一家にはしかし、笑いが絶えない。人と人とのつながりを描き、いつも笑いが絶えない日々を送っている。そして、ある事件をきっかけにそれぞれが抱える秘密や願いが明らかになっていく。息子とともに万引きを繰り返す父親・治にリリー・フランキー、初枝役に樹木希林が上手い。是枝裕和監督の作品では「そして父になる」も忘れられない映画だった。久しぶりに良い映画を見たような気がした。そして淀川長治だったら映画が終わったあとどんな感想を述べただろうと久し振りに彼の顔を思い浮かべた。「やっぱり映画っていいですね。サヨナラさよならサヨナラ。」と締めくくるのでしょうね。

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