2018年9月17日月曜日
カズオ・イシグロ:「日の名残り」
言わずとしれた昨年のノーベル文学賞受賞作家の作品の一つ。読み始めると、何だイギリスの名門貴族の執事を務めてきたスティーブンスの「品格とはなにか」という話みたい。しかし何か惹かれるものがあって読み進んでいくと、名門貴族ダーリントン卿とそのお屋敷、ダーリントン・ホールが舞台、そこでスティーブンス執事が雇った一人の女中頭ミス・ケントンと46時中、真剣に向き合う。ダーリントン卿がナチの台頭、第2次事世界大戦を通してナチへの協力者だったとの批判のうちに落ちぶれていく、しかし変わることないダーリントン卿への敬愛、有能な女中頭ミス・ケントンとの多くの角逐を良い思い出として懐かしむ、老いたる執事スティーブンス。新しいダーリントンホールの持ち主になったアメリカ人ファラディから与えられた5日間の休暇に美しいイギリスの農村地帯を旅しながらこれらの様々を回想し独白する。全編を通してミス・ケントンへの想いが強く伝わってくる、ほろ苦い最高に有能だった執事の回顧録、として読ませる作品だった。あまり見てはいないのだがNHKテレビで放映されている『ダウントン・アビー 華麗なる英国貴族の館』を見てみたくなった。
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吉田修一:「永遠(とは)と横道世之介」
横道世之介シリーズの完結編であることはタイトルから想像がつく。これは新聞の連載で読んだものである。と言っても細切れで読んだわけではない。というのは私は新聞のデジタル版の購読者なので、こういう連載小説はHPのアーカイブスのようなところに全部保管されているのでまとめ読みが可能なので...
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平成の回顧がこの時期の流行なので、便乗して気になることをボツボツと書いてみたいと思った。 地球は一つ、掛けがえのない地球。人類が消費している数多の資源の中で、最初に資源の枯渇化が危惧されたのが「石油」だった。1970年代には石油資源はあと30数年で枯渇するという説が流布したのは記...
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今日の日経プラス1(土曜版)から引用紹介。 東京ガス(http://www.tokyo-gas.co.jp) の「my Tokyo Gas住まいと暮らしの便利帖」では「寒い冬は特に一度沸かしたお湯を大切に使う”お湯まわりの省エネ”が効果的」など、様々なガス代節約の豆知識が得られ...
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