2019年11月15日金曜日

白州正子:「暮らしの遊(すさ)び展

NPO活動で町田にはよく通う。多い時には月に6度以上にもなる。その行きかえりにJR駅の広告や前を通りかかる「ことばらんど」という市民文学館がある。ここで開かれる企画展には心惹かれるものが時々ある。今回の白州正子の企画展も一度覗いてみたいものだと思っていたが偶々気持ちがその気になって立ち寄ることができた。ご主人共々町田市の鶴川に引っ越してきたのは1943年、33歳の時という。戦災を避けてではあったろうが元々、自然を愛し、季節を実感できる環境に身を置きたかったに違いない。元々の育ちも祖父が島津藩出身の名家だったこともあろうが、日本の伝統的な良いものに愛着があったのであろうか、気に入った骨董品に囲まれ、それらを日常的に愛用する穏やかな生活を堪能し続けた。自分でも染織工芸店を開いていたそうだ。青山二郎、小林秀雄に薫陶を受け、随筆の名手にもなった。ご主人は敗戦時、時の日本政府とアメリカ政府や駐留軍との間を奔走し戦後の体制を形にした陰の功労者として名高い、かの白州次郎。(彼のことについては近江で名を挙げたウィリアム・ヴォーリスについて以前書いたもので触れている)


何度か訪れたことのある武相荘の居室が再現されていた。

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