日本ではロイヤルファミリーといえば皇族関係に当たるのだろうか?
明日は競馬の有馬記念、年末を彩る競馬ファンにとっては欠かせない一年の締めくくりのレースだ。この本を読み終えたのは12月23日、奇しくもそんなタイミングだった。相変わらず図書館のお世話になっているのでこのタイミングは天の配剤以外にない。
馬主に使える秘書を主人公にした物語で、将に今時こんな人がいるのだろうかと首をかしげざるをえない設定だった。ノーベル賞作家、カズオ・イシグロの「日の名残り」の執事スティーブンスと対比してしまうのは酷なことでしょうね。イギリスの貴族に仕える執事と何らかの切っ掛けで馬主になった日本の人たちの一人に仕える執事との間には大きな隔たりがある。人間の品格とは何かを追い続けもう一方で女中頭のミス・ケントンとの確執、愛を描いた作品に比べ、本作品の主人公栗栖(クリス)にも大学の同級生だった加奈子が出てくる。彼女の実家が小さな牧場主で実直な父親が誠実に競走馬を育成し市場に出している。彼女と共に夢を追いかける姿がもう少し鮮明に出てくると・・なんて思ったりして。日本の競馬界の実情を描いていて興味深いところはあるのだが、大化けする要素を多く持ったストーリーのように思ったので惜しい感じが強かった。山本周五郎賞受賞作品。
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