主人公美智之輔は心は女の子の美大生いわゆる性同一性障害で自分は世界の真ん中を歩いていけない人間だという想いを持っている。だが一方で同級の颯爽とした高瀬君にあこがれているのだが言い出せず悶々としている。頭の中での妄想を軽妙なタッチで描写しているのでじめじめしない、嫌味がない読み物に仕上がっている。美大の卒業制作が認められてパリ留学。パリの街角の描写が懐かしい。漫画チックな読み物としてはこんな仕上げもできますよと原田マハの才知を見せてくれた。登場人物が皆いい人たちでそれも読んでいて楽しい。美智之輔はパリでリトグラフの世界に魅せられ、また女性作家ハルさんというよき理解者を得て最後はしっかり締めてくれてハッピーエンド。
2021年8月19日木曜日
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