図書館の開放架をサラッと見ていた時、この「かわたれどき」というタイトルに目がとまり、借り出した。この言葉には強い思い出があったからだ。昔の話ではあるが、高校生になった時、古文を担当するとてもユニークな先生がおられてその授業は緊張感もあり、面白かった。授業は黒板に新古今和歌集から一首を書き出して、その解説だけで1時間の授業を終えるというものだった。高校の授業とはこういうものかと、何か大人になったんだという感覚を持たせてくれた先生だった。その先生があるときの授業で、「たそがれどき」と「かわたれどき」の違いを教えてくれたことがあった。その時まで「かわたれどき」という表現は知らなかった。このときも高校って自分の知らない世界を色々教えてくれる凄いところなんだと思った感覚があった。自分にとってそんなタイトルの本を手に取らないわけはなかった。かわたれどきとは明け方で、あれはだれだとはっきり見分けられない頃》はっきりものの見分けのつかない、薄暗い時刻を指す言葉で、夕方を「たそがれどき」というのに対して使われるという。
さて、小説の方は、江戸の町名主、麻の助の話でどういった仕事をしていたのかよく分からなかったが要は町の困りごと揉め事を解決して取り纏めをする役割のようで、軽い謎解き凬に仕立てた物語だった。妻を失って若くしてやもめ暮らしになって周囲をやきもきさせていたが江戸深川の洪水で流されて、あわや命を取り落としかけたときに、1本の木に摑まって難を逃れたが、助かった後記憶喪失と夜中に「止めて」とうなされるという、この娘が悪友の妹、お雪。このお雪さんが濁流の中、夜が明けていく時が「かわたれどき」だったのだ。何を見て止めて!といったのか・・・このミステリーを解けるか?継之助!
おもしろい!
返信削除かわたれどき・・・初めて聞いた言葉でした。
それで、このミステリー解けたのですか、KISASさん?