2022年8月3日水曜日

高田郁:「みをつくし料理帖(7)~(10)

第7巻「夏天の虹」
想いびとである小松原と添う道か、料理人として生きる道か・・・・・・澪は、決して交わることのない道の上で悩み苦しむ。「つる家」で料理を旨そうに頬張るお客や、料理をつくり、供する自身の姿を思い浮かべる澪。天空に浮かぶ心星を見つめる澪の心には、決して譲れない辿り着きたい道が、はっきりと見えていた。そして澪は、自身の揺るがない決意を小松原に伝える。

第8巻「残月」
吉原の大火、「つる屋」の助っ人料理人・又次の死。辛く悲しかった時は過ぎ、吉原の大火の折、又次に命を助けられた摂津屋が「つる屋」を訪れた。あさひ太夫と澪の関係、そして又次が今際の際に遺した言葉の真意を知りたいという。澪の幼馴染、あさひ太夫こと野江、その他、若旦那・左兵衛との再会は叶うのか? 料理屋「登龍楼」に呼びだされた澪の新たなる試練とは……。雲外蒼天を胸に、

・迷いに迷った時道が枝分かれして、、どうすれば良いか?そんな時、自分なら心星を探す、との医師・源斎の言葉を幾度も噛み締める。一流料亭の「一柳」主人柳吾からの誘いも同じように心星に照らしてみれば自分の進みたい道とは違う。

第9巻「美雪晴れ」
名料理屋「一柳」の主・柳吾から求婚された元の御寮さん、芳。悲しい出来事が続いた「つる家」にとってそれは、漸く訪れた幸せの兆しだった。しかし芳は、なかなか承諾の返事を出来ずにいた。どうやら一人息子の佐兵衛の許しを得てからと、気持ちを固めているらしい――。一方で澪も、清右衛門から掛けられた「お前が身請けするんだ」、この暗示に応える方法があるのか、また料理人としての自らの行く末について、懊悩する日々を送っていた。

第10巻「天の梯」
『食は、人の天なり』――医師・源斉の言葉に触れ、料理人として自らの行く末に決意を固めた澪。どのような料理人を目指し、どんな料理を作り続けることを願うのか。澪の心星は、揺らぐことなく頭上に瞬いていた。その一方で、吉原のあさひ太夫こと幼馴染みの野江の身請けについて奇想天外な一手を編み出して、身請け金4000両を生み出す発想の転換。澪の熱い理解者医師、源斎も進路で大きな悩みを抱えていた。厚い雲を抜け、仰ぎ見る蒼天の美しさをみることは叶うのか!?

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