それを見て強く印象つけられたのは観梅で青梅を訪ねた時でした。ふと立ち寄った喫茶店の門前に大きなかめの鉢が置かれていてそこに無造作に大きめのネコヤナギが投げ入れたように活けられていたのでした。黒鼠色の毛並みを思わせるネコヤナギのあれは蕾なのでしょうか?花穂と呼ばれるものなのでしょうか?昔育った故郷の川辺に結構見掛けたこともその時思い出しました。それからネコヤナギが気になって仕方がなくなりました。庭の空いてる場所に植えたいと植木屋さんを訪ねても近くの植木屋さんには置いてあるところはありませんでした。そうこうしていたある年の正月に、玄関に飾るお花を物色していた時にネコヤナギをあしらったセットを見つけたのです。早速それを買い込んでお正月が終わってからその枝を切り戻してモノは試しと地面に挿し木として植えてみたのです。勿論最初からそれが狙いでした。それが見事に根付いたのです。今では背丈も120cmほどに伸びて沢山の花穂をつけてくれるようになったのです。もともと野性味も強く繁殖性も強い雑木だったのでしょうね。日本の川辺であればどこにでも見かけられるものだったのだと思います。しかし、川という川がUの字型にコンクリートで護岸工事が施され、岸辺に生えていたであろう雑木は一掃されていったのだと思います。ですからここ八王子の片田舎でいろんな川を遡りましたが自然に生えてるところを仲々見つけることはできませんでした。しかし、今は居ながらにして日々の変化を楽しむことができるのです。早春ならではの楽しみです。
今はもう、すっかり元気盛りのおネコさんに育っています。もうすぐどら猫のように図太い姿になっていくことでしょう。